長空開霽晩霞明 篷低淮山隔岸青 鴉散黒雲為陣勢 |
楓飄紅雨作秋聲 蕃釐玉樹應無種 東閣寒梅尚有名 |
惆悵牧之招不得 興誰同酔竹西亭 |
【読み】 |
長空 開霽(かいせい)晩霞 明らかに、篷低 淮山(わいざん)を隔てて青し。 |
鴉は黒雲を散じて陣勢を為し、楓は紅雨を飄(ひるがえ)して秋聲を作(な)す。 |
蕃釐(ばんり)の玉樹 応に種無くべし。東閣の寒梅 尚 名有り。惆悵す、牧之
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招けども得ず。誰と酔竹、西亭に同(とも)にせん。 |
【意味】 |
空が遠くまで晴れ渡り夕方の霞も消えてしまった。船室から岸を隔てて淮山が |
青く聳えて見える。鴉は黒雲の辺に舞い上がって陣の形を為し、楓は赤い葉を |
揺らして秋の気配を見せている。女神 蕃釐の美しい樹にはきっと種はないので |
あろう。東閣の役所の梅は今も尚 名をなしている。ああ悲しいなあ、牧之 |
(人名?)は招けども来なかった。誰と酔竹の日に西亭で共にすごそうか。 |
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*東閣=四川省の崇慶県にあった宮殿、「東亭」ともいう。官府の植えた梅(官 |
梅)があり、杜甫の詩にも詠まれている。 |
*酔竹=竹酔のことか?(韻の関係で前後ぎゃくになっている?)陰暦の5月13 |
日、この日に竹を植えるとよく育つと言われている。 |
【出典】揚州を過る 七言律詩 (明・史謹) |
*読み、意味は緑水の勝手な解釈です。5句6句の意味が正確にとれません。 |
何か逸話がありそうな?。 |