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月間教育書道誌「芦辺」
芦辺月例課題(令和2年7月号課題)
初級【漢字二体】
楷書 行書
志在千里(こころざしはせんりにあり)
老驥伏櫪 志在千里 烈士暮年 壮心不已
老驥(ろうき)は櫪(れき)に伏すとも、志 千里に在り。烈士暮年、壮心已(や)まず
【大意】
老いた駿馬は飼桶につながれていても千里を走る気持ちに変わりはないし、激し
い気性の志士は歳をとっても意気盛んな心は抑えきれない。
(出典) 曹操 「歩出夏門行」
上級【漢字二体】
行書 草書
水善利萬物(みずはよくばんぶつをりする)
 上善若水 水善利萬物而不争 處衆人之所悪 故幾於道
上善(じょうぜん)は水の若し。水は善く万物を利して、而(そか)も争わず。衆人の
悪(にく)む所に処(お)る。故に道に幾(ちか)し。 
【大意】
最上の善を例えるなら水だ。万物に利沢を与え育て上げ、水自体は利を争おうとしない。
それどころか人が避ける場所、例えば低い土地に居る。目立たず、万物 を潤している。 
だからこれが自然の法則に最も近い。
(出典)老子:道経「易性第八」

【細字】
【臨書】
深尤至於(九成宮冷泉銘)「歐陽詢」
  良足深尤 至於炎景流金無 鬱蒸之気   
               (読み)・・・良(まこと)に深(ふか)く尤(とが)むるに足(た)るか。炎景(えんけい)  
                      金(きん)を流せども鬱蒸(うつじょう)の気なく、・・・ に至りては  
               (意味)・・・まことに心痛むことです。しかしながら、ここは金をも溶かす炎天の中  
                      でも、蒸し暑い気配すらなく、・・・にあっては  
   
     
     
     
 
師範漢字【漢字二体】
行書 草書
温故而知新(ふるきをたずねてあたらしきをしる)
 子日、温故而知新、可以為師矣
(読み)子日く、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。以て師と為るべし。
(意味)先生は言われた。「古くからの伝えを大切にして、新しい知識を得ていくことができれ
    ば、人を教える師となることができるでしょう。 
    
                          (出典:『論語』 為政第二)
                      
 
 
   
【条幅】 一般課題
   千峰黛色因晴出 百谷泉聲欲暮寒 
 
千峰の黛(たいしょく)、晴によって出で、百谷の泉聲、暮な
んと欲して寒し。
 
(大意) 
多くの山々の深緑の色は天気が晴れたためにあらわれ、
多くの谷川の早瀬の水音は、夕暮れ時に涼しさが感じら
る。
(出典)望大宝山 賀蘭暹(唐)「断片十一句」全唐詩)                           
 
*泉聲…泉聲にはいろいろな議論がある。大字源(角川)によると①泉の湧き出る
音、湧き水の音 ②滝の音 とある。素直に解釈すると湧き水の音のようである
が、多くの谷川の湧き水の音がそんなに聞こえるかという疑問が残る。それでは
滝の音はよく聞こえるだろうが夕暮れの寒々しい情景の中では少し違和感がある。 
有名な王維(盛唐)の詩「過香積寺」の中に”泉聲咽危石(泉聲聲危に咽び)”
という句がある。”NHK漢詩をよむ”の著者 石川忠久先生の訳では”泉の水は
高くそそり立つ岩に当たって咽ぶように響き”とある。そのまま泉の水という表現 
ではあるが湧き水が岩にあたって咽ぶように響くとは考えにくい。この場合、川の
上流の 早瀬の急流が岩にあたっているさまが目に浮かぶ。「百谷泉聲」とは、大
宝山の峰々の谷間あいまの多くの谷から聞こえてくる早瀬の水音といったところか。
 
     師範課題
   
     
   節物風光不相待 桑田碧海須臾改 
節物風光 相待たず。桑田(そうでん)碧海 須臾にして 
改まる。。
 
(大意) 
うつろいゆく自然の姿は、いつまでもじっとしていてくれ
ない。青海原が桑畑になり、また青海原に変わるのも永遠
の目から見ればつかの間のことだ。
                 (出典:盧照鄰(盛唐) 長安古意)
           
*古意とは昔風の作り方をした詩という意味
*節物季節の推移を示す物象 *風光風と光で自然のたたず
まいを表す。 *桑田碧海…麻姑(まこ)という仙女が王方平という仙人
と宴会をした時、「この前お会いしてから、東の海が桑畑に変わり、また
海になったのを三度も見ましたね」 と語った故事にもとづく。
 この詩は68句からなる七言古詩です。この句は61句と62句です長い
 ですが読みごたえがあります是非挑戦を。
 
  
  
 
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