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槙本緑水のブログ
月間教育書道誌「芦辺」
芦辺月例課題(令和3年4月号課題)
初級【漢字二体】
楷書 行書
深沈和平(しんちんわへい)     
心は慌てず落ち着いて穏やかである
                               出典:陳白沙(明)      
 
上級【漢字二体】
行書 草書
春来發幾枝(春来たりて幾枝か発(ひら)く)    
春が来て、いくつかの新たな枝が出ただろうか
                         出典: 相思(王維) 五言絶句の二句目 
 
 
【細字】
【臨書】
京千福寺(多宝塔碑)「顔真卿詢」
                    読み:  大唐西)京千福寺「(だいとうせい)けいせんぷくじ」
                      意味:  碑文の題の部分  
     
     
     
 
師範【漢字二体】
行書 草書
與日月争光
日月(じつげつ)と光を争ふ 
太陽と月が互いに明るさを競い合うように、善行と功業が盛んになる
      
                                 出典: 史記・屈原傳(司馬遷)
 
 
     
   
【条幅】 一般課題
檐竹蕭蕭雨建瓴 無由復此對床聽 燈花影落空棋局
墨汁香消冷研屛 春水池塘新舊草 東風楊柳短長亭 
傷心一段交期夢  又被寒江鶴喚醒
【読み】
檐竹(えんちく)蕭蕭として雨 建瓴(けんれい)たり。復 此れ
床に対して聽くに由無(よしな)し。灯火 影を落として棋局
空し。墨汁 香(こう)消えて研屛(けんへい)冷ややかなり。
春水池塘 新舊の草 東風楊柳短長亭(たんちょうてい)
傷心一段として交ごも夢に期す。また寒江の鶴 呼び醒ま
せらる。
【意味】
軒下の竹がもの寂しく揺れ、雨が強く降っている。また君
と二人床に横になってこれを聽くすべもない。灯花は影を
落として碁盤だけがぽつんとある。墨汁の香りは消えて衝
立が冷ややかに感じられる。春の水の満ちた池の堤には
新旧の草が色とりどりに美しく、春風をうけて柳は五里十
里に設けられた宿場でなよなよと揺れている。心は一段と
傷み時おり(君のことを)夢に見る。寒い冬の川にすくっと
立っている孤高の鶴のような君をまた呼び戻すことができ 
たら・・・
 
*建瓴…勢いが強いこと *燈花…灯火の灯心の燃えカスが花              
の形になったもの *研屛…硯のそばに立てる衝立
*短長亭…短亭(五里)長亭(十里)ごとにおかれたはたごや
                    【出典】 哭榮竹方 徳祥(とくしょう)元末明初
     
     師範課題
     
水流花謝兩無情 送盡東風過楚城 胡蝶夢中家萬里
杜鵑枝上月三更 故園書動經年絕 華髮春唯滿鏡生。
自是不歸歸便得 五湖煙景有誰爭
【読み】
水流れ 花謝(ち)り 両(ふた)つながら無情。東風(とうふう)を送り尽くして   
楚城に過(よぎ)る胡蝶(こちょう)の夢中 家 万里杜鵑(とけん)の
枝上(しじょう) 月三更(さんこう。故園(こえん) 書は動(やや)もすれば
年を経て絶(わた)り、華髪 春は惟(た)だ両鬢に生ず。 自(おの)づから
是(こ)れ帰らじ 帰らば便(すなは)ち得んも、五湖の煙景 誰(たれ)有(あ)
りてか争はん。
【意味】
川の水が流れ花が散るのは自然の接理春風は吹き尽くして楚城まで来た。
荘子は夢で蝴蝶になったという。いま自分は遠く 故郷を離れて、そのような
楽しい夢を夢みている。ほととぎすが月の出ている真夜中に枝で鳴いている。
故郷への便りはややもすれば1年以上かかる。春になって白髪が両鬢に出て
きた。私は帰りたくなったら当然帰るのだ。故郷の五湖の風景は誰も私と争う
ことは出来ない。(いつでも私のものにできる)
でも私はどうしてその故郷の風景を手に入れようとせず異郷に留まっているのか
という自嘲の意が感じられる。
*華髮…白髪  *杜鵑…ホトトギス  *三更…真夜中
 
         出典春夕(しゅんせき)の旅懐(唐・崔塗
 
  
  
 
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