水光瀲灔晴方好 山色空濛雨亦奇 |
欲把西湖比西子 淡粧濃抹総相宜 |
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【読み】 |
水光 瀲灔(れんえん)として晴れて方(まさ)に好く |
山色 空濛(くうもう)として雨も亦(また)奇なり |
西湖を把(と)りて西子(せいし)に比せんと欲すれば |
淡粧(たんしょう)濃抹(のうまつ)総(す)べて相(あい)宜し |
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【意味】 |
水面にうつる日の光はさざ波とともにきらめいて、晴れ |
た日の眺めはまったく美しい。山のすがたがおぼろげに |
けむる雨の中のながめもまた すばらしい。 |
このような西湖をかの西施にたとえようとすると、薄化粧 |
(晴れの風景)たんねんな化粧(雨の風景)どちらもよく |
似合う。 |
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*湖上楼…西湖のほとり。西湖は杭州の西にあり景勝地として有名 |
*瀲灔…さざ波の立つさま *方…ちょうどその時。まさに今 |
*山色…山のおもむき *空濛…ぼんやりと暗いさま |
*西子…越の美女、西施のこと *濃抹…厚化粧 |
*相宜…よく似合う。ちょうどよい。 |
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【出典:飲湖上初晴後雨二首 其二(北宋・蘇東坡)】 |
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